【 概 要 】−鶏足寺の創建は大同4年(809)東大寺(奈良県)の定恵上人が世尊寺一乗坊として開山したのが始まりと伝えられています。仁寿元年(851)には慈覚大師円仁が多くの堂宇を建立し境内を整備するなど当寺の隆盛に尽力を尽くします。天慶2年(939)には平将門の乱の平定の為戦勝祈願に藤原秀郷が訪れ、将門の土人形をもって法力で鎮め様としたところ、明朝に土人形には鶏の足跡が3つ付けられていた事から吉兆と悟り見事勝利を得ました。この功により天皇の勅願寺となり紺紙金泥両界曼荼羅図などを賜り鶏足寺と改称しています。文永年間(1264〜75)に高野山剛三昧院の良賢上人が再興し真言宗に改宗すると慈猛流の総本山として寺運は隆盛し山内に24院、48僧房、全国に310余の末寺を擁し室町時代には鑁阿寺とともに鶴岡八幡宮(神奈川県鎌倉市)の別当となりました。天文12年(1553)に上杉謙信の兵火により多くの堂宇、寺宝、記録などが焼失し、天正19年(1591)に徳川家康によって再建されています。現在の勅使門は謙信の兵火以前に建てられた唯一建物で正和年間(1312〜1316)に建てられた(伝)鎌倉時代末期の古建築物として貴重なことから昭和45年(1970)に足利市重要文化財に指定されています。
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